移弦の練習と音程のとりかた-27番から33番まで

移弦の練習と音程のとりかた〈27番から33番まで〉

それでは続いて移弦の練習に入っていきたいと思います。前回は左指を置いて全音と半音の違いにふれさせていただきました。0と1、1と2の指の隙間を開けて2と3の指を付ける置き方をしてきました。これから 説明していく移弦も、この指の置き方で進んでいきたいと思います。なお、右肩に力が入っていると先弓を無理して伸ばしてしまい右肩を痛めてしまうので、力が抜けてくるまでは先弓まで届かなくても大丈夫です。また、左指も角度を変える時に力が入ると痛めてしまうので、ネックから左手を離して十分力を抜きながら進んでいきましょう。
27番からはト音記号の横に分数ではなく代わりに C のような記号がついていますが、4分の4の意味になります。移弦は隣の線へ指を触れないで置いていくこと が 要求されます。慣れるまでかなり時間がかかる場合があります。そのような時は37番に飛んでもかまいません。37番に飛んだ場合は出来る箇所を練習し、移弦と並行して進んでいきましょう。

27番移弦の練習

それではまず、開放弦 D 線 A 線を弓で交互に弾きたいと思います。右手の人差し指で D 線から A 線に変わった感覚が分かってくるととても良いです。全弓で音を繋げて2本の弦を弾けるかを意識しましょう。また中弓でテンポを速めて練習するとどんどん慣れていきます。

次に3小節目から D 線と A 線の移弦の奏法に指を入れていきたいと思います。 D 線に指を置いていくのですが、 A 線に当たらないように置いていく事が必要になってきます。
弾きながら指を置くと力が入ってしまうので2本の弦をピチカートしていきましょう。

D 線と A 線両方ピチカートすることがやりにくいと感じた時は、隣の弦との幅が駒近くよりも細くなっているので、ネックと本体の付け根の辺りをピチカートしてみてください。

次に、 D 線に指を置いていきます。出来るだけ爪の近くで弦を押さえます。 A 線にぶつかってラの音が出ない時はほんの少し G 線よりに指を押さえましょう。

爪の近くで弦を押さえる時も指先の当たる位置を変えてみたりしながら A 線につかないところを探してみましょう。また、左肘の角度を変えてみると A 線につかないで押さえる事が出来ます。初めは、かなり力が入ってしまうので何回かネックから左手を外して左手の力を抜きながら試していきましょう。

28番日の丸

元半弓で4分音符を弾き2分音符を全弓で弾いていきたいと思います。
元弓で4分音符を一つ一つ音を繋げて弾きたいのですが、力が入り易いので、右肩を下げて手首を柔らかくして弾いていきたいと思います。元弓で音を綺麗に弾きたいときは圧力を軽く、顔の方へ少し弓を倒しましょう。

弓から右手を離し、ペンなど軽いものを弓を持つ手の形で持ち、手首から動かす事が出来るかやってみましょう。 それから手首をやわらかく使い D 線と A 線の開放弦を元弓で繋がるか確かめていきましょう。

次に左手の力を抜きながら慣らしていきたいので、ピチカートをしていきましょう。特に3小節目と6小節目と7小節目が移弦になるので何度かピチカートをしながら弦を確かめましょう。

また、元弓半弓と全弓で音が繋がっているか、指の置くタイミングと弓が合っているか意識をし、練習しながら慣れていきましょう。

29番二長調音階

ニ長調に移ります。ニ長調のニは、レの音を意味していて、長調は明るいということを意味します。

明るい音と暗い音は鍵盤を弾いて実際聞いてみると違いが分かります。ドとミとソを一緒にならすと明るい響きがします。ドとミの♭とソを一緒にならすと暗い響きになります。何回か弾いてみて明るい音の響きと暗い音の響きを聞いてみましょう。できたら明るい響きが分かってから二長調の練習をしていきましょう。

29番はレから階段のように 音が構成されていますがこのように、一つ一つの音が昇順、または降順に並べたものを音階といいます。29番はニ長調の曲を弾く前に弾いてみると曲の指の置き方などが分かるので、二長調の曲を弾くときはセットで練習してあげましょう。

それではピチカートで左手を確かめていきましょう。隣の弦に付かないで弦を押さえるのが、理想的です。楽譜の下に点線が書いてあるので1と2と3を線の終わりまでつけておきましょう。

次に3の指を123の指をセットで置き一弓で弾いたら弓を弦から離しましょう。この時隣の0と3の指の音程があっていると開放弦の響きが残ります。 D 線の3のソの音は G 線と響きます。 A 線の3の指のレの音は D 線の0と響きます。この時隣の開放弦に指が触れても音が響かないので注意しましょう。3の指の響きが分かってきたら、弓を入れ、全弓で音を出していきましょう。

慣れたら音が繋がっているか等にも意識を置いていきましょう。 楽譜の上に書かれている2小節目と4小節目と5小節目と7小節目の ^ の印は半音で指を付けるように指示されたものです。 音階ではボーイングをアップからにして進んでいくことや、弓も先弓だけの練習や元弓だけで練習することにより、弓の使い方に慣れていくことができます。

弓の位置を変えて練習する時も右肩が上がりすぎていないか、音が一つ一つ繋がっているか、手首は柔らかいか、左手は力が抜けているか、ネックは下がっていないか等、チェックしながらボーイングを入れていくと音色が良くなっていきます。

30番二長調音階でのリズムとボーイング

それでは27番の指を隣の弦に触れないで置くことと、28番の元半弓と全弓の使い方と、29番の音階の響きを踏まえて30番から練習していきましょう。

30番をダウンボーイングから練習する時は4分音符が元半弓で2分音符が全弓を使います。アップボーイングから練習する時は弓先で4分音符を弾いていきます。先弓は圧力や体重を右手の人差し指にかけて、音が抜けないようにしましょう。先弓からの全弓の時、元まで弓がきちんと使えているかを確認してみてください。

31番

3の指が隣の弦と響いているか確認しましょう。ダウンボーイングからとアップボーイングから練習をしていきます。

1小節目は元弓で4分音符を弾き2分音符で先弓までもっていきましょう。 2 小節目は先弓で 4分音符を弾き、2分音符で元弓までもっていきます。小節ごとに元弓と先弓を交互に入れ替えるように練習していきましょう。アップボーイングからはその逆になります。

3の指の響きは慣れてくると弓を離して聞かなくても分かってくるので、響いているかを意識しながら練習をしていきましょう。先弓は弦に毛を全て付け、元弓は弓を倒し、弦に毛の付く量を少なくしましょう。

32 番

全弓からリズムを変えて音階を弾いていきます。また、3の指の響きを確かめてから弾いていきましょう。ダウンボーイングの場合一小節目は元弓から全弓で先までもっていきます。1小節目の3拍目から先弓で4分音符を弾き、次の2分音符で先弓から元弓にもっていきます。

音階を弾くのに慣れて来ましたら、鏡を見て弾く事にも慣れていきましょう。はじめは感覚がつかめないかもしれません。その時は肩が下がっているか等を確認してから弓の元と真ん中と先を駒と指板の間に置き、音を出さずに見ることでまっすぐボーイングを動かす位置などが分かります。
またネックが下がっていないか等も鏡を見ながらチェックしてみましょう。ダウンボーイングとアップボーイング両方を使って練習をしていきます。

33番かえる

それではまたピチカートをしながら左手を慣れていきたいと思います。
3の指の響きが慣れてきたら1の指のミの音も E 線と響いているか聞いてみましょう。3小節目と4小節目が移弦になりますので何回か繰り返して練習してみましょう。5小節目からは3の指をつけたままにして弾いていきましょう。

5小節目と6小節目で響きを確認してみて下さい。指の位置が正しく置かれている時は3の指を弾いている時でも D 線の開放弦の響きが残っています。3の指の響きが分かることは手の形を覚えるためにもとても重要なことですので、隣の弦に付いていないかを確認しながら 1 小節目と3小節目4小節目のソの音も響きを良く意識して下さい。

右手に力が入っていたり、ボーイングが真っ直ぐでは なかったりすると、音の響きが無くなる要因 になる ので肩を下げているかなどチェックしながら練習しましょう。

投稿者: 松尾 沙樹

桐朋学園大学演奏学科ヴァイオリン専攻卒業。国際芸術連盟第7回JIRA全日本音楽コンクール第3位入賞、第32回国際芸術連盟新人オーディション審査員特別賞 奨励賞受賞、第20回TIAAクラシックオーディション最優秀賞受賞。F・アゴスティーニ〔イムジチ第1奏者〕マスタークラス合格、佐藤卓史指揮 ビバルディ四季 ソロをつとめる。子供~大人年齢を問わず人気の講師。